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「令和」道頓堀ダイブで観光船に落下、超危険なのに「犯罪にはならない」
2019年05月02日 17時13分

令和を迎えた5月1日の改元前後、大阪・ミナミでは橋から道頓堀川に飛び込む人が相次いだ。

中には、橋の下を通行していた観光船の先頭部分に落下した人もおり、ネットでは「死人が出なかったのが幸い」「ただ、ばか騒ぎしたいだけ」と批判が集まっている。

日刊スポーツ(5月1日)によると、船は観光客59人、船長とスタッフの61人が乗船しており、ほぼ満席状態だったという。あと数秒落下するタイミングがずれていたら、客に直撃する大惨事だった。

大阪市ホームページの「市民の声」には「条例などで禁止して罰金刑くらいはつけておく、くらいでないと規制できないのではないのでしょうか」と規制を求める声も寄せられているが、飛び込みは法的に問題ないのだろうか。髙橋裕樹弁護士に聞いた。

令和を迎えた5月1日の改元前後、大阪・ミナミでは橋から道頓堀川に飛び込む人が相次いだ。

中には、橋の下を通行していた観光船の先頭部分に落下した人もおり、ネットでは「死人が出なかったのが幸い」「ただ、ばか騒ぎしたいだけ」と批判が集まっている。

日刊スポーツ(5月1日)によると、船は観光客59人、船長とスタッフの61人が乗船しており、ほぼ満席状態だったという。あと数秒落下するタイミングがずれていたら、客に直撃する大惨事だった。

大阪市ホームページの「市民の声」には「条例などで禁止して罰金刑くらいはつけておく、くらいでないと規制できないのではないのでしょうか」と規制を求める声も寄せられているが、飛び込みは法的に問題ないのだろうか。髙橋裕樹弁護士に聞いた。

●飛び込みは犯罪にはならない

非常に危険な行為ですが、飛び込みは犯罪行為に当たらないのでしょうか。

「道頓堀川への飛び込みは犯罪にはなりません。法律も条例も、川への飛び込みを直接禁止するものがないからです」

今回、道頓堀川に飛び込みした結果、観光船に落下した人もいるようです。

「誤って船に落下してしまったことも犯罪にはなりません。過失業務妨害罪も過失傷害未遂罪も過失器物損壊罪もないからです」

どのような場合に、飛び込みが犯罪行為になるのでしょうか。

「直接規制する法律などがないため、飛び込みそのものではない別な理由での処罰になるものと思われます。

例えば、飛び込みする際に全裸・半裸だったような場合、公然わいせつ罪(6月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金、拘留、科料)や軽犯罪法違反(拘留又は科料)が成立しうると思います。

また、飛び込みを取り締まっている警察官に対して暴行をふるった場合、公務執行妨害(3年以下の懲役もしくは禁固または50万円以下の罰金)が成立する可能性がありますし、警察官に暴力を振るわないまでも、規制をしている警察官の指示を拒むと軽犯罪法違反にあたることもあります」

●民事上の損害賠償義務を負うことはありえる

では、飛び込みをした人やそれを煽った人は、なんの責任も問われないのでしょうか。

「道頓堀川への飛び込みが犯罪ではないとしても、何の責任も負わないというわけではありません。

動画を見る限り、故意に船に落下したわけではなさそうですが、過失が認められれば、民事上の損害賠償義務を負うことはありえます。

今回の具体的な状況はわかりませんが、例えば、観光船の進行が継続できなくなって払い戻しをした、その日の観光船の航行を全てキャンセルせざるを得なくなった、顧客対応に追われたというような事情があれば、その分の補填(逸失利益、人件費)を求められることはありえます。

そして、飛び込みした本人が賠償責任を負う場合、これを煽った友人なども本人と共に賠償責任を負う可能性があります。今回の飛び込みは、飛び込みした本人と煽った人の共同不法行為とみられる可能性があるからです」

●法律や条例の議論を

一歩間違えれば大惨事となった、非常に危険な行為でした。

「そもそも川への飛び込みは、過去に死者も出ている非常に危険な行為です。さらに、観光船に落下する行為は、当たり所が悪ければ、自身が死亡したり、重傷を負ったりという結果をもたらしかねません。乗船客が落下場所にいたら、同様に死亡や重傷という結果を生じさせていた可能性が高いです。飛び込み行為は絶対にやるべきではありません」

大阪市には市民から「飛び込み規制」を求める声も寄せられているようです。

「現状、川への飛び込み自体が犯罪にならないため、年越しカウントダウンやスポーツイベントの際などに、道頓堀川以外の川でも橋の上から飛び込み行為が増加していく危険もあるように思います。

川に入ること自体を全面的に処罰するのは行き過ぎかもしれませんが、橋からの飛び込みについては、法律や条例で、罰則まで定めた規制をすべきかどうかを、改めて議論する必要があると思います」

(弁護士ドットコムニュース)

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